赤十字は今から100年以上前に、戦場の悲惨な光景を目にし、敵味方の区別なく負傷者の救護にあたったスイス人のアンリー・デュナンが、「戦場で敵味方の区別無く負傷者の救護を行う団体の設立」、「戦場で戦闘に加わらない人々全てを保護するための国際的な条約の成立」を提唱したことにより誕生しました。
現在では世界186カ国にネットワークが広がる人道機関で、「人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性」という7つの普遍的な原則(赤十字の基本原則)のもとに、活動しています。赤十字には「赤十字国際委員会」、「国際赤十字・赤新月社連盟」、「各国赤十字社・赤新月社」があり、これらを総称して国際赤十字と呼んでいます。
日本赤十字社は赤十字・赤新月社のひとつで、1877年(明治10年)に佐野常民、大給恒が西南の役での負傷者を敵味方の区別なく助けるという趣旨で設立した博愛社が前身です。1886年(明治19年)に日本政府がジュネーブ条約に加入したことにより日本赤十字社と改称し、1887年(明治20年)に赤十字国際委員会から正式に国際赤十字の一員として承認されました。
本社は東京都港区にあり、全国47都道府県に支部をおき、病院、産院、血液センター、社会福祉施設などで医療、血液、社会福祉などの事業を行っています。また、国内外の災害に対する救護活動、救急法などの安全講習会の普及、青少年赤十字、ボランティア活動など、幅広い分野で活動しています。
こうした活動は、社員の方からご提供いただく資金(社費)や、一般の方々から寄せられる寄付金によって、また、ボランティアとして赤十字活動にご協力いただく皆様によって支えられています。