相模原赤十字病院は、神奈川県相模原市北部緑区の急性期病院として、住民の皆さんに、安全安心の医療を提供すべく職員一丸となって取り組んでおります。病床132床と小規模ではありますが、年間の救急車受け入れは約1400件になっており、地域の皆様に安心してお過ごしいただけるよう断らない医療を目指しております。病床は一般急性期(入院基本料看護配置7:1)2病棟と地域包括ケア病棟1病棟の3病棟で、病棟間でコミュニケーションを図り、患者さんに合った療養環境を提供しています。
看護部では、「赤十字職員としての自覚をもち、地域の人々の健康と命に向き合う看護を提供します」と看護部理念を掲げ、優しく思いやりのある看護の実践に向けて、組織作り、院内教育の強化を図っています。また、患者さんを中心に患者・家族とともに創る看護を展開すべく、意思決定支援にも力を入れています。
看護部の教育は、赤十字キャリア開発ラダーを推進し、看護師一人一人がやりがいを感じながらキャリアアップしていけるよう支援しています。新人研修は、教育担当師長をはじめ、認定看護師、先輩看護師が集合研修、OJTと力を合わせて全力サポートしております。
地域のみなさんとともに歩む相模原赤十字病院として今後も取り組んでまいります。
相模原赤十字病院 看護部長
木島 明美
【 看護部の理念 】
赤十字職員としての自覚をもち、地域の人々の健康の維持、苦痛の軽減のために信頼される看護サービスを提供します。
【 看護部の方針 】
- 患者様の権利を尊重し、個々のニーズに沿った満足していただける看護を提供します。
- 患者様が安心できる、安全で快適な療養環境を整えます。
- 地域に密着した継続的な看護サービスを提供します。
- 患者様とともに学び、一人の人間として、又専門職業人として成長します。
【 相模原赤十字病院の看護体制 】
・看護体制
一般病棟入院基本料(急性期一般入院科1)(5・7階)
地域包括ケア病棟入院科1(6階)
・看護単位
6単位(5階病棟、6階病棟、7階病棟、外来、手術室・中央材料室、透析室)
・看護方式
固定チームナーシング
・勤務体制
二交代制(三人夜勤) 日勤 8:30~17:00 夜勤 16:00~ 9:00
【 教育目的 】
病院と看護部の理念に基づき専門職業人として、豊かな感性で時代の変化に応じた質の高い看護実践力をもつ看護師を育成する。
【 教育目標 】
- 赤十字の看護職員としての自覚を持ち、その責任と役割を果たすことができる。
- 専門職業人としての自己教育力を高め、専門性を追及できる。
- 対象のニーズに応じた適切な看護を提供できる。
- 医療チームの一員として、看護職員の役割を果たすことができる。
【 赤十字キャリア開発ラダー 】
- レベル別研修日程表 (PDFファイル)
【 新人教育研修 】
平成22年度新人看護職員臨床研修がはじまりました。新人看護職員研修ガイドラインに沿った教育プログラムの企画や効果的な研修の実施に向けて取り組んでいます。
4月 新人合同技術研修
基礎看護技術、トランスファーや吸引の技術の講義と演習を行います。
6月 第1回新人フォロー研修
入職して3カ月、日々の看護の中で感じたことや振り返りを行います。
6月 BLS研修会
AED(自動体外式除細動器)の使用方法や、CPA(心肺停止)の対応を習得します。
11月 第2回新人フォロー研修
院外でサンドブラストを作ったりしながら、同期職員との交流を深めます。
11月 急変時の看護
急変時の状況設定をしてシミュレーションを行います。
【 5階病棟 】
5階病棟は、外科・整形外科・眼科・内科・泌尿器科と様々な科の患者さんが入院している病棟です。
私たちは、患者さんの個別性を尊重し、安全で確実な看護を提供できるように取り組んでいます。
また、他職種と連携を図り、医師ともコミュニケーションが良く、カンファレンスや勉強会を活発に行い、質の高い医療をチームで提供できるように日々頑張っています。
【 6階病棟 】
6階病棟は地域包括病棟です。
地域包括病棟は、急性期治療後すぐに自宅や施設へ退院するには不安のある方、自宅や施設で病状が悪化し一時的な治療を受ける方、レスパイ入院(介護者の一時休養)など、疾病を問わず様々な方を看護支援しています。
日々の看護においては、退院後の生活を見据えた看護を目指し、患者さんやそのご家族に満足して頂けるように、患者カンファレンスを積極的に行い、そして、ベッドサイドケアの充実を目指しています。
また、日々の看護を語り合う場を大切にし、看護することの意味を考えながら看護に取り組んでいます。
【 7階病棟 】
7階病棟は、内科・耳鼻科・眼科・外科・整形外科の急性期混合病棟です。
多岐にわたる疾患の患者さんがいますが、なかでも内科の患者さんの占める割合が多く、肺炎、心不全等、重症患者の受け入れや新型インフルエンザ等の感染症治療も行っています。
スタッフ間のチームワークが良く、若いパワーで明るく元気に声を掛け合いながら協力しておりスタッフ一丸となって患者さんのためにできることを考え日々看護を実践しています。
病院の最上階にあり津久井湖が展望でき、四季折々の素晴らしい景色を見る事ができるため、患者さんだけでなくスタッフも心癒される魅力的な病棟です。
【 外来 】
外来は、一般外来と専門外来、化学療法室、内視鏡室を担当しています。
今年度4月より総合診療科を開設し、医師と共に患者さんがスムーズに適切な医療が受けられるように努めています。そして多職種と連携し、地域で療養する人々が住み慣れた場所でその人らしく生活できるように支えていきたいと思います。
子育て中のママさんナースと経験豊富な看護師で、患者さんに寄り添った看護を行っています。
【 手術室 】
手術室は3室あり、外科・整形外科・耳鼻科・眼科・泌尿器科の手術を行なっています。
スタッフは麻酔科医1名、看護師7名です。
年間手術件数は800件で、術前術後訪問を緊急手術以外は全例行っています。
周術期における質の高い看護が出来るようスタッフ一同頑張っています。
【 透析室 】
当院の透析室は10床と小規模である事を生かし、目の行き届く個別的治療が行えるよう医師、看護師、臨床工学技士がチームとして、しっかりサポートし合っています。災害拠点病院としても災害時の受け入れ体制を整え、地域の透析病院とも勉強会や交流を行ない、スタッフの向上心を高めより良い医療を提供出来るように努めています。
【 院内感染防止対策チーム 】
チームは、医師・看護師など各部署のメンバーから構成されており15名で活動しています。
活動は月1回環境ラウンド、手洗いの指導、各部署での問題があればチーム会で検討し改善できるよう取り組んでいます。
感染を起こさない、広げないよう標準予防策の周知、徹底につとめています。
【 災害対策チーム 】
看護部災害対策チームは、発足4年目になります。
院内災害対策チームと連携し、救護資機材のチェック、災害対応マニュアルの見直し、訓練の準備や内容の確認、運営を行っています。また、看護師を対象とした研修も行っています。
近年、地震や台風など自然災害が頻発しています。当院が災害発生時、災害拠点病院としての役割を担えるよう、また救護活動が円滑に行われるようスタッフ教育を含めた様々な取り組みを続けていきたいと考えています。
【 NSTチーム 】【褥瘡対策チーム】
【NSTチーム】
当院のNSTチームは、医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・管理栄養士を中心に活動しています。栄養の過不足はないか、投与方法は適切かなど、退院後の生活を見据えた栄養管理と支援方法をチームで検討しています。
そして、患者様の栄養状態をサポートし患者様の栄養状態の改善・治療効果の向上・合併症の予防・QOLの向上を目指し取り組んでいます。
【褥瘡対策チーム】
医師・看護師・管理栄養士の多職種で構成されており、第2・4水曜日を活動日として各病棟のラウンドを行い、患者さんの状態を観察し処置やポジショニング(身体の向きやクッション枕の使用方法)について検討し、病棟スタッフへ情報共有を行いケアの継続や再発防止へと取り組んでいます。
年2回のスキンケアの研修にも取り組んでおり、褥瘡(床ずれ)・スキンテア(皮膚裂傷)・MDRPU(医療関連機器圧迫創傷)の発生要因を理解し、予防に努めています。
【 摂食・嚥下チーム 】
当院の摂食・嚥下チームは、耳鼻いんこう科医師、摂食・嚥下認定看護師・各病棟看護師・管理栄養士・言語療法士からなり、患者さまによりよい食生活をしていただけるようチームで活動しています。
一人でも多くの患者さんに「口から食べる幸せ」を取り戻せることや、患者さんとそのご家族にとって何が最善かを考えながら、患者さんとそのご家族に寄り添った支援を目指しています。
【 入退院支援チーム 】
平成26年に「退院支援チーム」として発足し、今年度は「入退院支援チーム」に進化
します。各病棟リンクナース、入退院支援ナース・地域医療連携室・医療ソーシャルワーカーと協働し、入院前から退院後まで、患者・家族が安心して継続した医療・看護を受けることができるようサポートしていきます。
【 認知症ケアチーム 】
当院の認知症ケアチームは、医師・認知症対応力向上研修を受講した看護師・作業療法士・MSWが中心になり活動しています。特に、看護部のビジョンでもある『抑制しない看護』を目指し活動しています。
認知症をもつ患者さまが体験している世界を考え、抑制に頼らない看護に努めています。そして、認知症をもつ患者さまとそのご家族が笑顔で安心した入院生活が送れるよう支援していきたいと考えています。
【 糖尿病チーム 】
当院の糖尿病チームは、医師・看護師・管理栄養士・臨床検査技師・臨床工学技士・健康運動指導士・医事課職員で構成しています。患者さんに糖尿病に対する正しい知識を提供し、自己管理ができるよう療養生活のサポートに取り組んでいます。
毎月糖尿病教室を開催し、11月の世界糖尿病デーには、多職種による講演会、ライトアップ、血糖測定などのイベントを行っております。また、年に4回津久井糖尿病勉強会を開催し、神奈川糖尿病療養指導士(KLCDE)認定更新の研修会の世話人として活動も行っています。
【 相模原赤十字病院の認定看護師 】
相模原赤十字病院では下記の認定看護師が活躍しています。
感染管理認定看護師
患者様をはじめ、院内全ての職員が感染を起こさないようにすることを目的とし、活動しています。なるべく現場へ行き、皆の意見や現状を確認し、困っている事があれば対応が早くできるようにしていきたいと思っています。
がん性疼痛認定看護師
がん性疼痛は身体だけでなく精神面にも悪影響を及ぼす為、緩和ケア認定看護師と共に痛みの軽減や、QOLの向上を目指し活動しています。また、スタッフが痛みのアセスメントを含めた適切な看護介入ができるよう学習会も行っています。
緩和ケア認定看護師
各病棟に入院されているがんや慢性期疾患の患者様、ご家族様へのケアについてスタッフから相談を受け、介入させていただいています。また、患者様やご家族に対して日常生活のアドバイスなどの相談も受けております。現在抱えているお悩みや苦痛を理解するように努め、最良な方法で緩和が図れるように医療チームに働きかけをしております。
摂食・嚥下障害認定看護師
私達が日々当たり前に行っている「食べる」という行動は生きるために大切な事であり、楽しみのひとつです。しかし、病気や高齢、認知力の低下などにより、経口摂取が困難になってしまいます。そんな患者様、家族の「食べたい」「食べさせたい」という思いに寄り添い、アセスメントし、他職種と協力しながらサポートしていきます。又、障害により誤嚥や窒息の危険性も高いため、リスク管理も含め食事に対する家族支援、スタッフ指導にも力を入れて行きます。「美味しい!」という言葉と患者様の笑顔を励みにひとりでも多くの患者様が口から食べれる喜びを感じてもらえるようサポートしていきます。